大学校及び設置科 四国職業能力開発大学校情報技術科
課題実習の前提となる科目または知識、技能・技術 システム分析、システム設計、JAVA プログラミング、画像処理技術
課題に取り組む推奨段階 JAVA プログラミングおよび基本的な画像処理技術修得後
課題によって養成する知識、技能・技術

一連のシステム制作の作業を通じて、システム設計の一貫性の確保や開発作業の過程の部分毎の検証の重要性を認識することができます。

製作の目的と概要

 詩吟の楽譜は、流派によって大きく異なりますが、臥風流(香川県)では、詩吟の発声の音程と音長を図1〜図2のような五線の楽譜によって表現しています。楽譜に不慣れな一般の方にとって、この楽譜の音程や音長をもとに詩吟を修得することは困難です。これを解決するために、スキャナで読み取った楽譜を画像処理し、さらに音程と音長を検出してMUSEテキスト注1.へ変換することにより、MUSEによって自動演奏するシステムを開発しました(図3)。

注1:MUSE 音楽演奏フリーソフト
http://homepage3.nifty.com/~atomic/muse/muse.htm

成果

 画像処理プログラムの開発は、JAVAおよび画像処理ライブラリであるJAIを使用しました。五線の位置の検出は、ハフ変換で行い、単音や「ゆり」の音程は、時間軸を細かく区切って黒線の位置を検出して求めました。単音と「ゆり」の区別は、パターンの継続時間から判別しました。単音と「ゆり」の音程と継続時間をMUSEテキストへ変換して、MUSEを使って演奏します。
 1行につき1箇所程度、以下のような変換の誤りが起こる場合がありますが、ほぼ詩吟の自動演奏を実現できました。なお、生成したMUSEテキストの不具合な部分については、テキストエディタにより修正することもできます。
・五線より低い音程検出では、その下の漢字を誤検出する。
・五線上の平仮名が上下重なった部分の音程を誤検出する。
・「ゆり」の一部を単音と誤検出する。
 詩吟の楽譜は、8線譜や漢詩に記号を付加したものなど、流派によって採用している形式が異なります。本研究では、五線譜を対象としましたが、画像処理により、流派間で、詩吟のテキストを相互に利用することも可能になるものと考えられます。
詩吟楽譜自動演奏システムの開発(H19)の画像1
図1 詩吟楽譜(全体)
詩吟楽譜自動演奏システムの開発(H19)の画像2
図2 詩吟楽譜(一部)
詩吟楽譜自動演奏システムの開発(H19)の画像3
図3 全体の処理の流れ