大学校及び設置科 関東職業能力開発大学校居住・建築システム技術系
課題実習の前提となる科目または知識、技能・技術 安全衛生、建築設計・製図、建築計画、環境計画、機械加工
課題に取り組む推奨段階 建築設計・製図、機械加工終了後
課題によって養成する知識、技能・技術

環境共生住宅の重要性、環境計画の実践力を身につける。

製作の目的と概要

 日本の住環境は、この30年で飛躍的に改善してきています。それに伴い、エネルギー消費も急増し、住宅から出る二酸化炭素排出量が年々増え続けています。現在、トイレ用水は飲料用の上水を利用しています。雨水、浴槽水をトイレ用に利用できれば、家庭用での上水使用量を28%削減でき、大幅な二酸化炭素も削減できます。
 雨水、浴槽水の「ろ過装置」を開発、製作して、トイレ用中水に使用するシステムの開発を目標とします(図1)。

成果

 雨水と浴槽水をろ過してタンクに貯め、そのろ過水をポンプアップしてトイレ用の中水に再利用するに当たって、タンク容量を決めます。

A)タンク容量
住宅の建設地、規模を決定して、雨水の降水量を調べる。建設地はK市、住宅の規模は、木造 2階建て、屋根面積は80m2。家族構成は3人とします。

1) トイレ用水量
家族3人より、トイレ使用水量は、約1日当たり145Lとなります。

2) 降水量
拡張アメダス気象データより、建設地K市での降水量を調べ、雨水量を決定します。雨水量は蒸発等を考慮して、10%削減します。
雨水だけでトイレ用水をまかなうとすると、タンク容量は6m3となります。

3) 浴槽水
浴槽の容量は200Lとし、2日に1回交換すると仮定し、降水量に加える。その場合、タンク容量は 1m3となります。

B)雨水ろ過装置
樋からくる雨水を、1次フィルター(ステン網(粗目))で大きなゴミや枯れ葉などを除く。小さなゴミは、ドレイン(沈殿槽)に溜める。タンクに流す雨水を、2次フィルター(ステン網(細目))で、再度ろ過します。

C)浴槽水ろ過装置
観賞用の「ろ過砂利」「サンゴ砂(中砂)」「サンゴ砂(細砂)」を各3cm敷き詰め、「フィルター」を敷き、その下に「穴あきアクリル板」を設置します。

アクリル板の穴の面積は382mm2です。1000mlの水が通過する時間は、約1分20秒かかります。
ろ過装置の大きさは、幅130mm・奥行き195mm・高さ150mmです。このろ過装置をタンク上部に複数個設置することによって、浴槽水をろ過します。
このろ過装置で、浴槽水の汚れは処理できますが、大腸菌は処理できません。このため、処理した浴槽水は、再度「塩素処理」あるいは「紫外線処理」が必要です。
環境共生住宅での自然エネルギー(中水)利用システムの開発(H19)の画像1
図1 中水利用システム図
環境共生住宅での自然エネルギー(中水)利用システムの開発(H19)の画像2
図2 雨水と浴槽水の場合のタンク内
環境共生住宅での自然エネルギー(中水)利用システムの開発(H19)の画像3
図3 雨水ろ過装置