大学校及び設置科 九州職業能力開発大学校 附属川内職業能力開発短期大学校電子技術科
課題実習の前提となる科目または知識、技能・技術 電子回路、デジタル回路、アナログ回路、コンピュータ工学、通信工学、パワーエレクトロニクス、電気機器、電子CAD・製図、ソフトウエア、プログラミング、光エレクトロニクス、電子デバイス、安全衛生
課題に取り組む推奨段階 電子回路、コンピュータ工学終了時
課題によって養成する知識、技能・技術

課題を通して、主にアナログ・ディジタル設計、コンピュータシステム設計、プログラミング、パワー制御、電子デバイス、電子CAD、シリアル通信といった技術の実践力を身につけます。

製作の目的と概要

本課題は、鉄道模型という親しみやすい題材のためモチベーションを常に高い状態で進めることができました。目標とする仕様はハードウエア、ソフトウエアを含むいくつもの課題があり、それらの解決には日頃養ってきた電子技術が必要となるため、専門課程の総仕上げとしての目的があります。仕様すべてがオリジナルであるため、1つ1つの技術課題ごとに教科書にはない問題が発生するため、それらの解決を図る中で電子技術の難しさや要所を会得することとなります。
鉄道模型のプログラム走行システム仕様は以下の通りです。
(1)線路上に置かれた基地局は光センサで、車両の通過を検知します。(光センサ技術)
(2)線路上の基地局はその通過を検知すると車両に向かって制御信号を赤外線発信します。(マイコン・ディジタル回路設計、マイコンプログラミング、赤外線通信、誤り補正技術など)
(3)車両は線路基地局から送られた信号を解読し、加速、減速、停車などその後の走行を制御します。場合によってはモータへの電力接続を制御して逆走もします。(マイコン制御、パワーエレクトロニクス、モータ駆動技術など)
(4)車両は了承と車両IDを組み合わせた信号を赤外線通信で線路基地局へ返信します。線路基地局は了解信号が得られないと異常と判断します。(フェールセーフ)
(5)線路基地局は車両IDをもとにその車両位置が把握できるため、複数台の車両制御が可能となります。(システム設計)
(6)一般に鉄道車両模型は両線路間の電圧極性で前進、後進の制御を行いますが、本車両は線路電圧に依存することなく前後進できる車両に改造します。(パワーエレクトロニクス技術)
(7)線路基地局及び車両の制御に使うプリント基板は、電子CADにて基板を設計します。(電子CAD設計技術)

成果

14単位の期間では、課題解決にあたる内容が多すぎたため、車両の走行パターンを車両停止とその停止時間制御だけに限りました。しかしながら光センサによる車両検知や赤外線送受信回路は製作でき、少ないながらも車両走行の制御はできました。
今後の課題は複数の線路基地局を設置し、それぞれをメインのコンピュータとネットワーク接続した、より大規模な電子制御を活用したシステム製作が望まれます。