大学校及び設置科 東北職業能力開発大学校 附属秋田職業能力開発短期大学校住居環境科
課題実習の前提となる科目または知識、技能・技術 環境工学?・?、建築構法、建築施工実習?、建築施工実習?、安全衛生工学
課題に取り組む推奨段階 建築施工実習?、環境工学実験?・?終了後
課題によって養成する知識、技能・技術

課題を通して、住宅の改修作業の技術を習得し、遮音性、断熱性について実践的な測定法や評価法を身に付けます。

製作の目的と概要

現在、住宅用の断熱材には、グラスウールや発泡ポリスチレン樹脂が多く用いられていています。一方、近年のエコロジー志向から自然素材を活用した新たな断熱材が注目されています。そこで本課題では、複数のリサイクル材を活用し、環境に優しくコストを抑えた吸音・断熱材を試作することを目的としました。また、その性能評価を行いました。

成果

リサイクル材料としては、ペーパーシュレッダーダストと、木工機械から排出される秋田杉の木くずを取り上げました。これらの材料で吸音・断熱材を作製し(図1)、空気音遮断性能と断熱性能の評価を行いました。空気音遮断性能の評価方法としては、既存の模擬家屋を改修後、間仕切壁(試験壁)にリサイクル吸音・断熱材をはめ込み、石膏ボードを両面に張り、JIS A 1417を参考に試験を行いました。
室間音圧レベル差の周波数依存性を図2に示します。石膏ボード間にリサイクル吸音材をはめ込んだ場合は、中空壁と比べ200Hz付近で空気音遮断性能が向上しました。これは中空層に吸音材が入ることにより、空気層が共振する低域共鳴透過が抑制されたためと考えられます。
断熱性能の評価方法としては、JIS A 1420を簡略化した校正熱箱を製作し、熱伝導率の測定を行いました。その結果、市販のグラスウール断熱材(16k)と同等(λ= 0.045 W/m・K)の性能が得られました(表1)。熱伝導率による性能分類(A1〜Eの6分類、Eが高性能)ではB種となります。
また、防火性はホウ酸塩で薬剤処理することにより、火炎の発生が抑制され、改善できました。
リサイクル材料による吸音・断熱材の試作と性能評価(H21)の画像1
図1 リサイクル吸音・断熱材
リサイクル材料による吸音・断熱材の試作と性能評価(H21)の画像2
図2 室間音圧レベル差
リサイクル材料による吸音・断熱材の試作と性能評価(H21)の画像3
表1 熱伝導率測定結果(W/m・K)