大学校及び設置科 職業能力開発総合大学校 小平キャンパス建築科
課題実習の前提となる科目または知識、技能・技術 建築構法、構造力学、構造設計、建築施工実習?
課題に取り組む推奨段階 1年時終了後
課題によって養成する知識、技能・技術

課題を通して、調査分析、木造軸組の構成の理解、実験手法等の実践力を身に付けます。

製作の目的と概要

現在の日本には、数多くの伝統的な建築が存在しており、その時代や地方の特色を持ち、さらには建てた職人独特の技が生かされ、これらの建物様式を今日まで伝えてきました。岡山県高梁市は、備中松山藩の城下町として栄え、武家屋敷や古い町家、寺院等が散在し、当時の面影を今に伝えています。しかし、昔の伝統を残してきた建築物には、現代の建築法規では考えられないような構造で建っているものが多く、これらの建物は耐震性の低い建物であると予想されます。
伝統的工法に興味があった学生たちは、実際の町家建築がどの程度の構造的な性能を有しているかを知りたくて、伝統的建築物の耐震性に関する内容について総合制作実習で取り組むことにしました。この課題では、まず現地建物調査を行い、次に建物の構造模型を製作しました。さらに、明治大学建築学科野口研究室と共同で構造性能を明らかにするための水平加力実験を実施し、その耐震性を検討しました。

成果

本取り組みを通して、実際の伝統的町家建築を調査してこれをもとに模型建物(1/3の縮尺)の製作をすることで、軸組の仕口や納まりが理解できました。また、施工においても軸組を組み立てる手順が重要であることを知ることができました。立体模型の実験では、壁が存在する構面と壁が全く存在しない構面とでは、壁がない構面の変位が存在する構面の1.34倍あること、また、1層の方が2層の約5倍変位が大きくなること等がわかり、建物の立体挙動を捉えることができました。また、耐震診断と模型実験により、調査を行った高梁市の伝統的町家建築は耐震性の低い建物であることがわかりました。
高梁市に建つ伝統的町家建築を対象とした立体挙動解明のための模型実験(H21)の画像1
写真1 調査した町家建築
高梁市に建つ伝統的町家建築を対象とした立体挙動解明のための模型実験(H21)の画像2
図1 立体模型の立体挙動