大学校及び設置科 職業能力開発総合大学校 小平キャンパス生産システム技術系
課題実習の前提となる科目または知識、技能・技術 機械は機械設計、機構設計、加工、精密測定、シーケンサ、モータ制御、電子はマイコン制御、回路設計・製作、センシング、圧電素子、情報は画像処理、データ通信、データ処理
課題に取り組む推奨段階 応用課程2年次
課題によって養成する知識、技能・技術

課題を通して、機械は自動化機器設計製作、精密測定、電子は計測制御、自動化制御、情報は画像処理、データ処理、各科共通として創造性・協調性を包含したコンセプチュアルスキル、ヒューマンスキルの応用的な技術を身に付けます。

製作の目的と概要

ボールねじは、図1のようにねじ軸とナットの間にボールが転動する構造になっています。ボールをねじ軸とナットの間にいれることで摩擦抵抗が少なくなるため、各種NC工作機械などの直動駆動要素に数多く使われています。
しかしながら、ボールねじの組み立てにおいては、ボールとねじ軸、ナットとの隙間調整がミクロンオーダーでの精度が必要です。現状ではねじ軸とナットの加工寸法により、1ミクロン単位のボール選定を熟練した組立作業者の感覚により行われています。
本開発課題はこの作業負荷を軽減するため、ボールの選定を自動化することを目的とし、ねじ軸とナットの高精度な自動計測法を開発するものです。
 
(注)本課題のボールねじの特徴は、図2に示すように、溝部とボールとの接点が、理論的に2点のみが接しています。このため摩擦抵抗が非常に少なくなります。

成果

ボールねじの有効径とは図1、図2で示すようにボールを溝部(ゴシックアーチ形状)に入れた時のボールの中心から反対側のボールの中心までのことです(ねじ軸側、ナット側共)。このねじ軸側とナット側の有効径の差により組み込むべきボールが選定されます。今回はボールねじに組み込むボールの選定をするために以下の2つの方法に取り組みました。

?ボールねじのねじ軸の有効径を画像処理により測定し、ナット内径の有効径を圧電素子による計測法で測定し二つの測定結果から適合するボールの選定を行います。
?ボールねじを組み立てた後、ボールねじの軸方向のすきまを高精度に測定することにより適合するボールの選定を行います。

結果として、軸方向すきまの測定では組み付けの手間が計測による選定よりかかるものの、ミクロンオーダーでのボール選定を行うことができました。
ボールねじ等の自動計測システムの開発(H21)の画像1
図1 ボールねじ断面図
ボールねじ等の自動計測システムの開発(H21)の画像2
図2 ゴシックアーチ形状