大学校及び設置科 近畿職業能力開発大学校産業化学科
課題実習の前提となる科目または知識、技能・技術 計測と制御、プロセス制御、機器分析、定量分析
課題に取り組む推奨段階 全学科・全実習終了後
課題によって養成する知識、技能・技術

課題を通して、主に分析機器製造・保守・運用技術の実践力を身に付けます。

製作の目的と概要

分析機器の製作を通じてモノづくりを体験し、実際に分析に活用できる性能を有する機器として、発光ダイオードと光センサを用いた比色計を設計・製作しました。これは中高教員の方に作製してもらい、授業やクラブ活動で使用することを想定して立案しました。
装置は、外部からの光が侵入しないようにするため機器内部で光を検知するように設計しました。このため、筐体は隙間ができないようにし、持ち運びが容易にできるようにできるだけ小さくしました。発光ダイオードは三色一体型のものを用い、スイッチと可変抵抗の調節により光の出力を任意に変更できるようにしました。発光ダイオードから出た光は、セル内のサンプルを通して三波長検出型の光センサで検出し、周波数変換して出力されます。三波長でのサンプルの吸光度を得ることができることになり、従来の比色計のような一波長での測定に比べより精度良く試料濃度を決定する事ができます。

成果

指示薬メチレンブルー水溶液を順次希釈した標準液を使用して、成果物(図1)の測定性能を検定しました。その結果は図2のとおりです。このグラフは測定値を相対的に表したものです。測定に使用したメチレンブルーは濃度が不詳であり、結果のグラフは相対値を表したものですので、今回の測定は比色計が正常に動作していることの確認にとどまっています。
 今回の総合制作実習では、回路の簡単化、測定値からの吸光度の計算、各色ごとの直線性の確認などの課題を残す結果となりました。製作の段階に時間を取られたため充分な測定実験が行えませんでした。しかし、中学・高校の職員の方に製作・使用してもらうことを目的としている機器であるため、製作時間の短縮も考えておく必要があると思われます。
三波長比色計の製作(H22)の画像1
図1 装置の全容
三波長比色計の製作(H22)の画像2
図2 作成した比色計によるメチレンブルー溶液の測定例