大学校及び設置科 東海職業能力開発大学校 附属浜松職業能力開発短期大学校電子情報技術科
課題実習の前提となる科目または知識、技能・技術 組込みソフトウェア基礎実習、デジタル回路基礎実習、アナログ回路基礎実習、マイクロコンピュータ工学、インターフェイス技術、組込みシステム工学、組込みシステム実習、センサ工学、計測制御実習、移動体通信技術、機械工作実習、基礎製図実習など
課題に取り組む推奨段階 専門課程2年
課題によって養成する知識、技能・技術

組込み型マイコン開発技術、パソコン制御、電子回路設計、センサネットワーク技術、無線通信技術、センサ回路設計、機械加工技術、データ処理技術、省電力設計技術

製作の目的と概要

現在、無線センサネットワーク技術は、スマートグリッド、HEMS(Home Energy Management System)、植物工場、環境モニタリングなどへの適用が期待されています。しかし、実際にはセンサネットワークに用いる無線センサノードは導入コストが高く、また電池による長期間(2年以上)の稼働ができないなど様々な課題が存在します。
2010年度の総合制作実習では、無線センサネットワーク技術を用いた家庭用エネルギー管理システム(HEMS)の開発を行ったが,このシステムで開発した無線センサノードは,DC9V電池1本で約8時間程度しか稼働できないという課題がありました。
そこで、2010年度に開発した無線センサノードをベースに以下の3点の改良を行うことで無線センサノードの低消費電力(アルカリ単三電池1本で1.5年以上の稼働時間を基準)を行い、最終的に小型太陽電池を用いて長時間稼働できる無線センサノードの開発及び製作を目的としました。
1) マイコン,無線通信モジュール,周辺回路(センサ回路)全て間欠制御方式を採用する
2) 電源部にエナジーハーベスティングデバイス(小型太陽電池)を活用する
3) 無線センサノードの電源電圧を低電圧化(DC5V⇒DC3Vに下げる)する
★技能・技術習得目標:
本課題を通して、組込み型マイコン開発技術、無線通信モジュールを活用した回路の設計技術、省電力回路の設計手法、エナジーハーベスティングの活用技術などを中心とした応用システム開発技術を習得します。

成果

無線センサノードの低消費電力化(平均消費電流100μA前後)を実現し、製作費用も1台当たり約5千円弱と低く抑えることに成功した。今回、実験データによるシミュレーション結果では、センシング周期10分、単三アルカリ電池1本(容量2000mA)で、無線センサノードを約1.8年以上稼働できることを確認した。また電源をアルカリ単三電池から小型太陽電池に変えたところ、照度15000lx以上の太陽光が太陽電池に照射されている間は永久的にセンシングデータ(温度,湿度,照度など)を送信できることを確認した。 
★アピールポイント:
本課題テーマは,無線センサネットワークの重要課題を解決できる要素技術を提示できたものであり,内容的には新規性並びに有用性の高い作品であると考えられます。実際に本課題に取組んでくれた学生は様々な電子回路設計技術のみの習得だけでなく、高いハードルを乗り越えるための問題解決能力も向上できたのではないかと考えられます。

※この課題情報シートには、学生が作成した予稿原稿が含まれています。
低消費電力型無線センサノードの開発及び製作(H23)の画像1
図1 開発した無線センサノード
低消費電力型無線センサノードの開発及び製作(H23)の画像2
図2 太陽電池接続の無線センサノード
低消費電力型無線センサノードの開発及び製作(H23)の画像3
図3 全体のシステム概要