職業能力開発技術誌 技能と技術 Vol.48 2013年6号 通巻第272号
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-10-技能と技術 2/2013(毎月の就職対策委員会で未就職者の実態報告と検証を行った)【要因分析①】≪金属加工科H20.12修了生,53.3%≫病気で未就職の者が多かった。(入院1名,通院5名)(親の介護1名)訓練中の欠席が多く意欲が低かった受講者は未就職。年齢の高い受講者が多かった。熱心に就職活動していたにもかかわらず,年齢が合わず不採用が続いた者もいた。(55歳以上が3名)≪住宅サービス科H20.12修了生,52.9%≫年齢が高く(55歳以上が8名,内60歳以上が6名),職種・労働条件を緩和して活動させたにもかかわらず,応募した企業すべてから不採用が7名。3ヵ月を過ぎてから就職が決まった者が1名いた。急激な雇用悪化のため,応募条件が厳しくなったことも影響した。【要因分析②】≪金属加工科H21.6修了生,40.0%≫病気で未就職の人が多かった。(入院2名,通院4名)訓練中の欠席が多かった受講者は未就職だった。成績優秀者も面接で経験が問われ,3ヵ月以内には就職できなかった。(3ヵ月を過ぎて就職が決定)能力不足で20社面接を受けたがすべて不採用の者もいた。≪住宅サービス科H21.6修了生,44.4%≫年齢が高く(55歳以上が9名,内60歳以上6名),職種・労働条件を緩和して活動させたにもかかわらず,応募した企業すべてから不採用が5名。健康面での問題で活動できなかった者が3名。3ヵ月を過ぎてから就職が決まった者が2名いた。 ジョブ・カードを活用したキャリア・コンサルティングは,受講者の就職支援には有効な手段ではあるが,万能ではない。阻害要因は多様であり,受講者個々人の状況により次のような事例があげられる。・受講者の健康上の問題・受講者の年齢の問題・地域の景況と雇用・失業状況,応募要件の厳しさの程度の問題・訓練中の受講態度(欠席の多寡)の悪さが影響した事例  etc. 「年齢問題」「応募した企業すべてから不採用」「訓練中の受講態度が悪い(欠席が多い)」等の課題には,対策を講じる余地があり,キャリア・コンサルティングによる個別支援で改善するように努めた。 「年齢問題」は,これまで「年齢が高いほど経験も人脈も多い」ことを強みとして,人脈の掘り起こしを図るよう指導していたが,成果にばらつきが見られた。個別支援で,より具体的に個別企業名をあげさせて,具体的な行動を取らせるよう進捗管理を徹底することにより,年齢が高くても早期再就職に繋がるケースが多くなった。 「応募した企業すべてから不採用」を防止する策として,自己分析を深め,自己の強みやアピールポイントを,応募する企業に応じて自分の言葉で表現させ,面接トレーニングを必須とするようにした。 また,企業が求める人材要件を明確に把握し,自己のキャリアや能力との釣り合いを考えさせ,自分の能力にあった企業へ応募するように支援を強化し,ミスマッチの解消に努めた。 「訓練中の受講態度が悪い(欠席が多い)」受講者の意識改革には,職業訓練を集合教育で実施する意味を説明し,周りの人と良い人間関係を構築するために必要な企業人としての常識を,訓練期間中に習得することであると理解させ,就職講話や接遇講座等で社会人としてのマナーや常識について指導した。 改善の兆しが見えない受講者に対しては個別対応とし,訓練課長と担任指導員が個別に呼び出し,本人にやる気と訓練継続の意思確認をし,行動変容を求める指導を実施した。 20社すべてから不採用になったケース等,不採用が続くと当事者としては非常にショックで就職意欲が萎え,自暴自棄になってしまいそうな事例も多くあった。気持ちの切り替えには,指導員からの温かい励ましの言葉が何より必要で,個人への関心と声掛けの頻度が大幅に増えたことが,成果に繋がる要因の1つとなった。6.結果および副次効果⑴ 有効求人倍率が激減しているにもかかわらず,就職率が向上した。  ハローワーク佐世保管内の有効求人倍率は,平成20年度平均で0.54であったが,平成21年度は,過去最悪となる0.38であった。このような厳しい雇用・失業情勢のなかで,就職率は,平成20年度平均79.2%から平成21年度平均80.5%と上昇し,平成22年度実績も87.5%と順調に成果が出ている。

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