職業能力開発技術誌 技能と技術 Vol.48 2013年6号 通巻第272号
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-13-魅力ある職業訓練について2≪キャリア・コンサルティングを実施した指導員からの相談事例≫指導員からの相談事例管理職としてのアドバイス例・ひとりの相談に時間がかかりすぎる。・「今日の面談は○○時までです」「今日は修了後の就職についてお聴きします」というように,面談の時間や目的を最初に提示しておくようアドバイス。・就職の話から発展して生活の悩みまで聴いてしまった。・就職以外の話に逸れたら,「今日は就職の話だけにしましょう」と言って話を戻す。また,生活の悩みには回答せず,「○○の相談であれば,専門の相談窓口を紹介します」とリファーするようアドバイス。・コメント欄にどのように書いていいかわからない。・記載例を参考にするようアドバイス。・「私だったら「○○」のように記載しますがいかがでしょうか。」と参考コメントを具体的に示す。・欠席が多く何度注意しても改めない受講生がいる。・「私が話を聴くので時間を設定してください。」と具体的な面談時間を設定し,受講継続意欲等について個別に話を聴く。・何社も応募するが不採用が続く受講者に対してどのようなアドバイスをすればよいか。・「気持ちの切り替え」ができるよう,チャレンジしたことに対しては褒めるようアドバイス。・不採用の原因を探り,応募書類の添削や面接トレーニングをするようアドバイス。・希望する求人がないという受講者に,どのように対応すればよいか。・訓練で習得した職種の範囲から,過去の職業経験が生かせる職種まで,幅を広げるようアドバイス。・現在の雇用・失業状況を説明し,どこまで条件を妥協できるのか,その点について話合うようアドバイス。・応募をためらい就職に不安を感じる受講者にどのように対応すればよいか。・不安の要因を質問により聴き出し,本人が気づけるように話をさせることをアドバイス。・企業訪問に同行させて,実際の仕事の現場を見せる等により,仕事に対する不安を取り除くようアドバイス。ジョブ・カードを活用したキャリア・コンサルティングにおけるアドバイス事例【指導員から受けた困難事例に対する対処方法のヒント,アドバイスの概要】1.≪なかなか記入できないケース≫【空白,または1行程度しか記述できていないケース】・指導員がある程度のヒントを与えないと書けないケースがある。・質問を準備しておく。質問は相手が気づくためのヒント。(質問でキーワードを探る)・質問し,回答した内容をそのまま記述させる。2.≪自分の強みがわからないケース≫【職務経歴のたな卸をしても自分の強みが出てこないケース】・これまでの具体的な経験,話の中から模索する。(傾聴し,相手に話をさせる。)・上司や顧客からほめられたことはないか。(仕事以外のことも聴く。)・言葉(キーワード)の提供,相手の話を要約する。・本人が気づいていない。(視点を変えてみる)・・・「自己開示」と「フィードバック」。・「いいとこ探し」等のグループアプローチ手法で,他者からのフィードバックをもらう。3.≪キャリア形成上の課題,支援のポイントをどうとらえたらよいかかわからない≫①本人の希望と雇用情勢・求人状況にミスマッチがある場合・「仕事理解が不十分である」ことが課題であるケースが多い。・「希望する職務,業種や企業についての情報提供」が支援のポイントとなる。・「プライドの高さ,頑固さ」が課題であれば,「自己理解の促進」が支援のポイントとなる。②本人の就職希望が明確な場合・「地域の求人ニーズの情報収集」が課題となるケースが多い。・「求人情報の収集方法」「業種の希望範囲を広げること」などが支援のポイントとなる。③訓練の受講により,興味が広がっている場合・「仕事理解」が課題となるケースが多い。(職業ハンドブックなどの活用を紹介)・「自分の強みをどのように生かすか。」を考えることが支援のポイントとなる。④付加したほうが良いと思われる能力がある場合 (例)接客経験があるなら,商品知識など,一般事務経験があるなら,経理事務・会計事務などを付加することをアドバイス。職業能力開発の方向性を示すことが支援のポイントとなる。⑤希望が絞りきれていない場合 (例)事務職を希望・・・事務職でも中身や雇用形態等多様であることを知る事が課題。

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