職業能力開発技術誌 技能と技術 Vol.48 2013年6号 通巻第272号
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-16-技能と技術 2/2013膨大な情報の中からタイミングよく,必要な情報を引き出すには,情報の読み方や考え方を理解する力が求められる。こうした素養とも言うべき力は,「知識として知るだけ」では不十分であり,どれだけ能動的に調べ,考えてきたかが試される。 そこで応用課程1年生が受講する生涯職業能力開発体系論では,可能な限り企業と接点を持つ場をつくることとした。 具体的には内定者や卒業生,採用企業のかかわりを持ちながら,自己の能力開発を扱う集合研修(キャリア形成論,職業社会論,生涯職業能力開発体系論)を実施しているが,なかでも生涯職業能力開発体系論の中に可能な限り,外からの刺激を学生が感じられるようなコース展開を図る試みを行っている。3.就職活動のとらえ方と留意点 インターネットでの情報収集は就職情報サイトに自分の就職情報を登録し,条件にあう企業情報をメールで受信し確認する方法と関心のあるキーワードで検索して,自ら見つけ出すという方法がある。 これは簡易に情報収集ができるため,情報へのアプローチが浅くなりがちで,表層的な条件のみに判断をしてしまうという問題がある。 また,情報サイトには高額な掲載料が必要なため,情報サイトに掲載をせずに学生募集をする中小製造業も多数存在する。さらに中小企業の採用計画が入社月の1年以上前の12月に決まっているという企業も少なく,早期に新卒学生募集に動く企業もそれほど多くはないであろう。 このため就職活動初期に触れる情報は必然的に大手企業の情報に集中することになる。 大手企業は仕事のデパートともいえるだけの業務を見ることができ,細分化した仕事を詳しく研究していくための情報も公開されているということは,就職活動においては見落とせない点である。 だが,得やすい情報のみで判断するのが果たして妥当なのか,よく考える必要がありそうだ。 雇用問題をめぐっては,マッチングの問題があるが,中小企業等のなかに価値ある情報が多くあるにもかかわらず,接する機会を得ないまま就職活動を終えている状況もあるだろう。 こうした入手が容易ではない情報については,学生が自ら意識的に情報収集に当たるという姿勢が不可欠となる。 学生が自ら能動的に情報収集に取り組む足がかりをつくることが重要であると考え,平成24年度は企業人が参加する講座として進めることとした。 そして学生が,次の3点に「気づき」を得られるよう留意し,就職支援を展開することとした。① 視野を広げる② 企業から活きた情報収集を積極的に行う③ 自分に自信を持つ4.就職支援の方法等 就職支援はキャリア・就職支援センター運営会議(座長:宮田忠副校長)およびミーティング(座長:菊池拓男助教)において方針を検討し,実施している。 就職活動全般の案内や各種手続き,情報源や推薦図書,就職支援機関の紹介,内定者のアドバイスなど,就職活動に必要な情報を「就職ガイドブック」にまとめて学生に提供している。 また,就職支援は本来個別に行うのが望ましいが,就職活動の初期段階を円滑に動かすためには集合形式で行う必要がある。 小平校では,専門課程1年生で履修する「キャリア形成論」「職業社会論」応用課程3年生で履修する「生涯職業能力開発体系論」において就職力を醸成する講座を実施している。 さらに,学生に就職上の課題や就職活動の要望などの確認(学生アンケートや求職票等)をし,必要に応じて就職対策特別講座を希望者に対する時間外講座として行う。 また,希望者には就職アドバイザーによる個別指導を実施する。これは履歴書から面接対策まで本人の要望に応じてきめ細かく相談に応じるものである。

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