職業能力開発技術誌 技能と技術 Vol.48 2013年6号 通巻第272号
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-34-技能と技術 2/20131.はじめに 家電製品や携帯電話,車などは目覚しい進歩を遂げ,益々組込み技術の重要性が高まっている。経済産業省1)によると,組込みソフトウェア技術者は日本国内に25.8万人いると言われているが,6.9万人の不足がみられ国や県などで対策が必要とされている。その対策の1つとして若手組込み技術者の育成を目的として行っているのが,社団法人組込みシステム技術協会が主催するETソフトウェアデザインロボットコンテスト2)(ETロボコン)である。本ゼミでは6年前から2年生の総合制作実習3)として挑戦してきた。この取り組みはゼミ生の組込み技術の向上やチーム開発ノウハウの習得に役だつことがわかり,実践技術者育成の教育的効果4)5)が高いことがわかっている。 短大のゼミは1年ごとに全学生が入れ替わってしまうので,先輩学生が習得した技術やノウハウは,後輩学生へ教員が教授するか卒業論文で継承してきた。しかしそれだけでは伝えきれないゼミの伝統や意気込みなどを直接先輩から伝承できれば,後輩はより高度で効果的な総合制作実習が実現できると考えた。またETロボコンに取り組んだゼミ生から今以上の結果を出すにはもっと早期から技術やノウハウの習得を始めなければならないとの声が上がっていた。そこでゼミ生の意見を聞きながら考えた結論が組込み勉強会である。技術やノウハウを習得した先輩がゼミに入る前の後輩へ,技術やノウハウ,伝統,意気込みなどを直接伝承する仕組みである。3年前から取り組み,1年目は短時間で実施して効果がありそうだったので,2年目からはカリキュラムや教材を制作し規模を拡大して実施した。本稿は組込み勉強会の成り立ちや実施状況,効果などについて報告する。2.ETロボコンの取り組み ETロボコンは分析・設計工程のモデリング技術から実装・テスト工程のプログラミング技術までのシステム開発全体を経験できる貴重なロボットコンテストである。毎年約350の企業や大学などのチームが参加をして,地区大会(図1)と全国大会で組込みシステム技術を競う。 ETロボコンの取り組みはゼミに配属になる4月から開始し,まずはクロス開発やモデル開発の環境図1 東北地区大会での本ゼミチームのスタートシーン秋田職業能力開発短期大学校徳田 孝明総合制作実習における先輩から後輩への直接的な伝承

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