職業能力開発技術誌 技能と技術 Vol.48 2013年6号 通巻第272号
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-2-技能と技術 2/2013③ 中小企業が能力開発セミナーに積極的に参加できるようなセミナーを企画することが大切であり,できるだけ業務への影響を少なくするため下記3点を注意すること。・夜間・祝祭日での開催・2日間以上連続開催ではなく,月1回や週1回とする。・できるだけ交通の便の良い会場とすること。(出張セミナー) 以上①〜③の3点を注意してお客様視点を持ち,積極的に業界団体・事業主を訪問することにより比較的容易に業界団体が開拓できる。 また,一度人脈を作ることができれば,口コミにより顧客が自動的に増加して,実績向上につながる。 なお,人脈とは「だれを知っているか」ではなく「だれに知ってもらっているか」であることに注意をしたい。3.訓練の内容について 訓練の内容については,「企業の現場に対応できる職業訓練であること」,「会員(経営者)を説得するためには,利益に結びつき,現場で活用できる職業訓練であること」の2つの経営者視点で開発することが大切である。従業員をセミナーへ派遣する者は企業の経営層であるのだから当然である。高度職業能力開発促進センターでは,上記2点を勘案し,「生産技術」「設備保全」「業界特化型」の内容について提案を行っている。 生産技術(コスト,納期,品質の調和をはかる技術)は経営の損益に直結するため経営者の関心が高く,業界団体へのヒアリングからもニーズの高さがうかがえる。したがって,当センターが提供する生産技術セミナーも単なる教科書的な内容を説明するものではなく,モノづくりの改善と収益の関係を肌感覚で習得させ,経営改善に直結する業務改善について議論する内容のものである。業界団体の会員企業から工場を会場としたオーダーセミナーの依頼を多数いただいており,実際に現場改善の成果を出すことにより,業界団体からの絶大な信頼をいただくまでになっている。 設備保全は,昨今の急激な景気の冷え込みにより自社内で取り組む企業が増えており,自社で既存設備の保全や保守管理を行うことにより,設備の延命やコストダウンだけでなく,製品の品質向上に繋がる。また,東日本大震災以来,災害や事故などの予期せぬ出来事の発生により製造設備が損傷した際に,早急な復旧ができる人材が求められている。そのため自社の社員で復旧をできる人材育成が求められているため,業界として取組んでいる事例が多い。 特に会員企業からオーダーセミナーでの依頼が非常に多く,実際に工場に赴き,機器の設備保全を行いながら職業訓練を行っている。 業界特化型は,各業界団体特有の技術に着目してセミナーを実施しており,例えば金型の業界団体においては金型・プレス・プラスチック射出成形,鉄鋼の業界団体においては金属材料・腐食・熱処理・板金といった各業界団体に関係の深い内容としてい写真1 出張セミナーの風景(生産技術)写真2 工場内における実習風景(設備保全)

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