職業能力開発技術誌 技能と技術 Vol.48 2013年6号 通巻第272号
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-40-技能と技術 2/2013前側と奥側に配置される。この場合,駆動軸の平面カムの歯数Zは2枚で,これらの歯によって従属軸は回転する。従属軸の回転ローラNは,駆動軸の一回転当たりの回転角φと駆動軸の歯数Zによって応じて決まる。図では従属軸の回転角φ=180 駆動軸の歯数Z=2 とすると,ローラ数Nは,N=360・Z/φで与えられる。したがって,回転ローラは,片側4個で,合計8個となる。また,2枚の平面カムは,360/(N・2)つまり45度ずらし,背中合わせに配置される。同様に従属軸側のローラの位置も手前側と奥側で互い違いに配置されている。この配置より,従属軸は,バックラッシがなく滑らかな回転と静止を生む。3.平面カムの設計 パラレルカムの設計は,平面カムの設計がポイントとなる。その設計では,はじめにタイミング線図からカムの動作曲線を求め,その曲線をもとに平面カム形状を決定する。 平面カムの形状を簡単に算出する方法として,ここでは,2つの方法を示す。1つは,理論計算とCADのオフセット機能を利用して求める方法,もう1つは,CAD上での創成法により求める方法である。3.1 理論計算とCADを利用する方法 この方法は,初めに従属軸のローラの径を0として平面カムの理論形状を算出し,その後,その形状をCADデータに変換して,CAD上で,ローラ半径分オフセットして形状を求めている。 平面カムの形状は,回転ローラの位置によって決まってくるので,図3に従属軸に取り付けられたローラの中心位置を位置ベクトルで表示したものを示す。駆動軸を原点とするとローラの位置ベクトルRは次式で示される。⑴L:軸間距離を表すベクトルC:ローラの半径を表すベクトルτ:従属軸の回転角 θ:駆動軸の回転角 従属歯車の回転角τに対応して駆動歯車の回転θも変化しているので,駆動歯車の形状は駆動軸の回転角θに合わせて,ベクトルRを回転座標変換する必要がある。したがって,平面カムの形状は次式で与えられる。⑵3.2 創成法による方法 歯車製作の創成法と同様にCAD上で駆動軸の平面カムを製作するブランクと従属軸のローラを切削工具として,バーチャル空間上で回転しながら干渉部分をブーリアン演算により繰り返し除去すると,図2 パラレルカム図3 パラレルカムのベクトル図

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