職業能力開発技術誌 技能と技術 Vol.48 2013年3号 通巻第273号
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-20-技能と技術 3/2013代が4名(44.4%),40歳代が3名(33.3%),最年少は22歳,最年長は45歳であった。対象者の居住地は8名が東京都内で,1名が千葉県であった。 障害の程度については,身体障害者手帳の障害程度等級は1級3名(33.3%),2級5名(55.6%),4級1名(11.1%)であった。視力の状況は,よいほうの視力で見ると0.7が1名,0.4,0.2,0.01,0がそれぞれ2名であった。視力0を除く7名は視野障害を有していた。 なお,移動の状況は,対象者9名全員が鉄道を使い,単独で事業所に通っている。3.2 就労に関する状況 就労経験状況では,7名が就労経験者,2名が未経験者である。未経験者は1名が大学生,1名は学校卒業直後である。就労経験者7名の全員が現在は離職しており,うち3名はアルバイト,またはパートとして週数日程度勤務している。 就労活動状況では,職業安定所(以下,ハローワーク)への登録は7名(77.8%),2名が未登録であった。登録している7名は,雇用保険受給のために事業所の利用開始前に登録していた。一方,障害者の人材紹介を行う会社への登録は5名(55.6%)であった。これはWebページから人材紹介会社の情報を入手して,登録する会社を選択するなど,一定の手続きが必要なため,結果としてハローワークに比べると登録率が低いと考えられる。また地域の障害者就労支援センターは,【相談など連絡を取っている】が2名(22.2%),【存在は知っているが連絡は取っていない】が2名(22.2%),【存在そのものを知らない】が5名(55.6%)であった。このように地域の障害者の就労支援センターの利用率が低いのは,その存在を知らないことが大きな要因であると言える。しかし,視覚障害者の就職先を地域で開拓していくためには,障害者就労支援センターの役割は大変重要であることから,就労移行支援の事業所と早期に連携がとれるような体制を整える必要があると考えられる。3.3 仕事などに支障が出てから就労移行支援を利用するまでの年数 仕事に支障が出てから就労移行支援事業を利用するまでに,最も多かったのが約2年3名(33.3%),最短で約1年1名,最長で約6年1名,未記入が2名であった。仕事に支障が出始めてから年単位で経過している。この間に,スクリーンリーダーやキーボードによる視覚に頼らないパソコンスキルを習得する機会があれば,退職まで至らなかったケースもあるのではないかと考える。在職中に視力低下などによりパソコンの利用が困難になっている人に対して,パソコンの技術指導を就労移行支援として受けられることが望まれる。3.4 視覚障害者の就労と仕事内容 視覚障害者の就労については9件の回答があった。最も多かった回答は,【職種が限定されている】【就職が厳しい】が各3件,【就職している人数が他の障害と比べ少ない】【視覚障害に対する理解がない】が各1件であった。 また,就労している視覚障害者の仕事内容については,17件(複数回答を含む)の自由記述があった。最も多かった回答は,【マッサージなどの三療】【一般事務】で各5件,【選択肢が少なく厳しい】が2件であった(表1)。 厚生労働省の「平成24年度の障害者への職業紹介状況」によると,視覚障害者の新規求職申込件数5,417件に対し,就職件数は2,255件で,就職率は41.6%であった3)。さらに,全国視覚障害者雇用促進連絡会情報4)によると,平成21年度の視覚障害者の職業別就職件数では,ヘルスキーパーを含むあん摩マッサージ指圧・鍼・灸のいわゆる三療は1,024人,事務的職業は230人であった。これらから,視覚障害者は就労が厳しく,主な職種が三療と事務的項目件数マッサージなどの三療5一般事務5選択肢が少ない2表1 視覚障害者の仕事内容

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