職業能力開発技術誌 技能と技術 Vol.48 2013年3号 通巻第273号
23/43

-21-障害者に対する職業訓練3職業であるという,現状をよく認識していることが示された。3.5 事務的職業で就労している視覚障害者の仕事内容 事務的職業としての仕事内容については,14件(複数回答含む)の記述があった。最も多かった回答は【データ入力・処理】【電話応対】【メールの利用や指示】が各3件,【コピー】が2件であった。一方,【イメージがない】が2件あった(表2)。 今後も仕事内容のイメージを持てずに就労支援サービスを受ける人はいると思われる。事業所は,より具体的な仕事内容をイメージすることができるように職場見学や職場実習などを行う必要があると考える。3.6 就労している視覚障害者が意識していること 就労している視覚障害者が意識していることについては,15件(複数回答含む)の回答があった。最も多かったものは,【仕事上で努力や工夫をしている】が6件,次いで【コミュニケーションを意識している】が3件,【仕事内容を開拓すること】が2件であった。また,【晴眼者と同等,それ以上の仕事ぶり】が2件であった(表3)。 【仕事上で努力や工夫をしている】や【コミュニケーションを意識している】は,就労している視覚障害者が就労希望者へのアドバイスとしてあげている【前向きな姿勢】と【コミュニケーション力】と合致していた2)。視覚障害者が就労後,どのような点に注意しながら仕事を行っていけばいいのかを正しく理解していることが明らかとなったことから,事業所はコミュニケーション力向上のプログラム提供などの支援をしていくことが示唆された。3.7 視覚障害者の就労が厳しい理由 視覚障害者の就労が厳しい理由については,14件の回答があった。【企業側の視覚障害者に対する理解不足】が最も多く4件,ついで【周囲に大きな負担が生じる】【通勤に対する不安】が3件,【就労支援機器購入の負担が大きい】が2件であった。一方,【視覚障害者自身の認識の甘さ】を指摘する回答が2件あった(表4)。 視覚障害者の就労支援を行う際,事業所でも企業や社会の視覚障害者の就労に対する理解不足を感じることが多い。事業所だけではなく,視覚障害者も【企業や社会の理解不足】をあげている。このことは,視覚障害者の就労支援は,当事者にパソコンの操作技術やコミュニケーション力を習得するプログラムだけではなく,企業や社会に対して,視覚障害者の就労に対する啓蒙活動も行っていかなければならないことを示している。3.8 求めている人材 企業がどのような人材を求めていると思うかについては,11件の回答があった。【協調性やコミュニケーション能力】が6件,【仕事を遂行する能力】が4件であった(表5)。項目件数データ入力・処理3電話応対3メールの利用や指示3コピー2イメージがない2項目件数仕事上で努力や工夫6コミュニケーションを意識3仕事内容を開拓2晴眼者と同等かそれ以上の仕事2項目件数企業の障害理解不足4周囲に負担をかける3通勤に対する負担3支援機器購入の負担大2視覚障害者の認識の甘さ2表2 事務的職業での視覚障害者の仕事内容表3 就労して意識していること表4 視覚障害者の就労が厳しい理由

元のページ 

10秒後に元のページに移動します

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer10.2以上が必要です