職業能力開発技術誌 技能と技術 Vol.48 2013年3号 通巻第273号
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-22-技能と技術 3/2013 これは,就労する際には,コミュニケーション力と仕事の遂行力が重要であることを認識していることが示された。3.9 技術習得訓練の希望 技術習得を希望する訓練項目から複数選択可による回答の結果,【パソコンスキル】【コミュニケーション力】【ビジネスマナー】の3つの訓練は,すべての人が習得を希望していた。これは,視覚障害者が就職するためには【パソコンスキル】だけではなく,【コミュニケーション力】や【ビジネスマナー】が重要であることを認識していることを示している。 また,白い杖の使い方などの【歩行訓練】,拡大読書器やルーペなど紹介・使い方の【ロービジョン】は,各4名(44.4%)が希望していた。また,デイジー図書の録音再生機の使い方などの【情報機器】は3名(33.3%),【点字】は2名(22.2%)が希望していた。これら【歩行訓練】【点字】【ロービジョン】【情報機器】については,対象者個人の状況に依拠するよるものが大きいことから,対象者の状況と希望に応じて,訓練が提供できるような体制を整える必要がある。 一方,【日常生活動作訓練】の希望者はいなかった。これは,視覚障害者の身辺自立度の高さを示しているとも言える。しかしながら,日常生活上の評価を行うなど,訓練を実施するかを判断する必要があると考えられる(表6)。3.10 就労支援に望むこと 就労移行支援に望むこととして,自由記述による回答では,【パソコンのスキル】5名,【職場見学】2名,【就職の斡旋】【就職につながるコミュニケーションスキル】【面接スキル】【ビジネスマナー】が各1名あった(表7)。この中で【職場見学】については,実際に視覚障害がパソコンを使って一般事務職としてどのように働いているかがイメージできないためと考えられる。職場訪問や働いている人の体験談など,就労を目指す人が働いている現場をイメージすることができるような情報を提供することが不可欠である。4.おわりに 本研究の結果をふまえ,今後の検討課題として以下の3点について論究する。 1点目は,仕事を遂行するためのパソコン力,仕事の創意工夫力,コミュニケーション力が必要であることについて明らかになった。これは,すでに就労している視覚障害者に対する調査研究で同様の結果が得られていることから1)2),さらに事業所のプログラム強化を実施する必要がある。特にコミュニケーション力は多岐にわたるため,各個人のニーズに応じたプログラム開発を検討する必要がある。 2点目は,今後就職するための専門的知識・技術に関する訓練プログラムの提供だけではなく,【歩行訓練】【点字】【ロービジョン】【日常生活動作訓練】など,個人のライフスタイルの基盤づくりとなる技項目件数協調性やコミュニケーション力6仕事遂行力4項目件数パソコンスキル9コミュニケーションスキル9ビジネスマナー9歩行訓練4ロービジョンケア4情報機器3点字2項目件数パソコンスキル5職場見学2就職に繋がるコニュニケーションスキル1就職斡旋1面接スキル1ビジネスマナー1表5 企業が求めている人材表6 技術習得訓練の希望(複数回答)表7 就労移行支援に望むこと

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