職業能力開発技術誌 技能と技術 Vol.48 2013年3号 通巻第273号
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-25-障害者に対する職業訓練4ランニング・マトリックスへの改称)も含め,国総研の改訂5)を参考としながら内容を改訂して作成し,本校版として毎年活用を図ってきた。 本校版を作成するに当たり,工夫した点は,まず各項目に番号を振り,キャリア教育において必要と思われる指導内容の各段階をわかりやすくしたことである。その上で,生徒が現在どの指導内容を学習していくのが適切かを担当職員が判断し,その該当項目を他の資料においても番号で表記できるようにして,生徒の変容に従い各段階を表す数字が昇順していく仕組み作りを考えた点である。 ここで示している他の資料とは,本校で使用している「個別の指導計画」のことである。担当職員は生徒1人ひとりの実態把握や目標の設定等に,この仕組みを利用して生徒の基礎的・汎用的能力が高まるよう指導・支援を行うこととして活用を図ってきた。 また,番号表記に関連しては,国立特別支援教育総合研究所作成の原表では,「小学部(小学校)段階において育てたい力」としていたところを本校版では「第1,2段階 第3段階」,「中学部(中学校)段階において育てたい力」としていたところを本校版では「第4段階」,「高等部段階において育てたい力」としていたところを本校版では「第5,6段階」,と表記したことである。これは,キャリア発達の促しを目途とする際の生徒個々の実態を鑑みた場合,「第1,2段階 第3段階」,「第4段階」においても,その育てたい力を必要とする生徒がいると判断しているためである。続き番号の表記にしたため,内容の連続性をより意識できる利点が生まれた。さらに,内容が3段階に大きく分かれることから,単純に「第1」「第2」「第3」段階とせずに「第1,2段階 第3段階」「第4段階」「第5,6段階」としたことについては,原表の各段階が,「知的障がいの各教科の段階との関連を表す」4)5)としていることから,そのことを意識するために,「第1,2段階 第3段階」,「第4段階」,「第5,6段階」と表記していくことにした。このことは,後で提示する資料3と関連している。5.「キャリアプランニング・マトリックス(項目版)」(資料1)の活用について 児童・生徒のキャリア発達の促しを目指す上での道しるべとなるキャリアプランニング・マトリックスの中味を,私たち教師等が事前にしっかり把握しておくことができるようA4版1枚でキャリアプランニング・マトリックスの要素を表している。そのため,キャリアプランニング・マトリックスの全体像を把握しやすく,活用の基本ともいえるものである。本校では,生徒の基礎的・汎用的能力の向上を目指して取り組む際において,実態把握や目標設定を行っていく際の資料のほか,主として保護者との面談で使用している。また,近々では,生徒向けにアレンジしたキャリアプランニング・マトリックスを使用し,生徒自身の自己理解の一助として活用している。 なお,前年度である平成24年度版の本校キャリアプランニング・マトリックスにおける課題を少しでも解決しようとして作成したのが今回の資料1である。今回の変更は,それまでのものをほぼ一新した内容となっていて,基礎的・汎用的能力で表されている「人間関係形成・社会形成能力」「自己理解・自己管理能力」「課題対応能力」「キャリアプランニング能力」の内容と,いわてキャリア指針で示されている「総合生活力」「人生設計力」の内容について,改めてその項目や内容を見直し,検討してほぼリニューアルとしたものである。例えば,「コミュニケーション」「チームワーク」「自己を律する力……」「課題発見……」等の新項目を起こしたり,従来の内容を見直し,他の能力分野へ内容を移動したりした。その上で項目名を変えたりし,基礎的・汎用的能力で表現しようとしている部分を強化した。特に,課題としていた自己理解・自己管理能力や課題対応能力の内容を改めてとらえなおし,新たな項目として「自己を律する力・規範意識・忍耐力」「課題発見」「実行+評価・改善」等を加えたりしている。どのように変更して作成したか等については,全資料を参照願えればありがたい。

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