職業能力開発技術誌 技能と技術 Vol.48 2013年3号 通巻第273号
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-34-技能と技術 3/20135.将来展望 では,「椿娘」を実際に味わってみよう。 まろやかな味わいの中に,食欲を刺激する風味があり,季節や素材を選ばない,すべてを包み込むような味噌である。やはり,地元産の材料を使って,多くの“職人”が丹精込めて作り上げた味噌は一味も,二味も違う。協働作業の思いが染み出ている感じだ。 ところで,あおぞら事業所における味噌づくりは,生活介護に位置づけられた活動の1つゆえ,高い工賃を目指す生産的な活動とは違い,この作業の成果だけで,地域で自立した暮らしを実現させることは難しい。また,通常の食品会社や大型の就労継続支援事業所とは違い,大規模なオーダーに対応することが難しいが,それを解決していくことが今後の工賃向上を目指すうえでの課題の1つだ。障害のある人の「働きたい」という思いを大切にしながら向上心を高め,働いた成果をより実感できるような仕組みづくりも社会全体に求められる。 さらには,生産活動に携わるだけでなく,販売まで一貫して取り組むような経験をしてもらうことも,障害のある人にとって社会参加を高める有効な機会となるはずである。 障害の特性を生かしつつ,地域の特色も取り込んで,だれもが笑顔になる味噌をつくり続けること…そこから,障害の有無にかかわらず,共に暮らし合い,働きあう共生社会づくりの格好の素材になるのだろう。椿娘が豚汁の味を更にひきたてる私達が味噌作りのプロ職人

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