職業能力開発技術誌 技能と技術 Vol.48 2013年4号 通巻第274号
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-13-ものづくり人材の育成に向けた取り組み1し,㈱エフビーから内定をいただいた際に行ったオーダーメイドカリキュラムである。 また,本学生は沿岸部の出身ではなかったが,「人を育ててくれる企業」という点にも魅力を感じ,沿岸部への就職を決めた者である。 内定後にインターンシップを実施していただき,マイクロコネクタの製造工程を理解した。本来外注から買っていたエンボスキャリアテープであったが,エンボスキャリア成型機の導入により,自社で製造するようになった。エンボスキャリア成型機は自動で成型を行うため,作業者は必要ない。しかし,段取り作業自体に作業者が必要になっている。そこでエンボスキャリア成型機の段取り改善を行うこととした。 企業からは,品質を「平均値」と「ばらつき」で見る力と,品質の改善手法である「5源主義」の手法の流れを実践し,そうした取り組みを通じて,モノづくりの考え方の基礎を修得させてほしい,というのがオーダーメイドカリキュラムへのリクエストであった。そこで,図24に示すような実行宣言を作成し,その内容に沿ってテーマを遂行していった。②エンボスキャリアテープと梱包作業 エンボスキャリアテープとは,ポケットと呼ばれるマイクロコネクタが収納される形状を持つテープのことで,熱可塑性の特性を持つプラスチック材料(PMMA)である。マイクロコネクタ製造工程の最終工程で,エンボスキャリアテープのポケットの中に収納されたマイクロコネクタが,相手側のテープと溶着され梱包される。③課題の把握③−1 工程プロセス研究 エンボスキャリアテープの製造工程のビデオ撮影を行った。撮影されたビデオをもとに工程プロセス研究を行った。その結果を図25に示す。 分析結果から,段取り替え作業時間が合計で1,281秒要することがわかった。しかし,その段取り中に設備が停止することで,さらに時間を要してしまうことがあることがわかった。 分析結果から,新規原反のセット工程で設備の停止が発生しており,再度設備を動かすまでに313秒時間を要してしまうことがわかった。そこで,設備が停止する原因を現物の分析をすることで特定することにした。③−2 設備停止時の現物分析 エンボスキャリアテープは,パイロットホールと呼ばれる穴が全部で23個開いている。本来はすべての穴が直径1.5mmの穴となっているはずが,設備停止時のエンボスキャリアテープは,左から7〜17番目の穴が長穴のようになっている(図26)。図24 実行宣言図25 エンボス作業におけるタイムチャート

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