職業能力開発技術誌 技能と技術 Vol.48 2013年4号 通巻第274号
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-31-実践報告1.はじめに 1枚歯と2枚歯のインボリュートはすば歯車を用いた歯車装置が,神奈川県相模原市にあった訓練大学校(現 職業能力開発総合大学校,小平市)の機械科実習場に長く展示され,モータのスイッチを入れると2組の歯車が互いにかみ合い滑らかに回転していた(図1参照)。 これらの歯車は,約45年前,訓練大学校の初代校長で歯車の権威であった成瀬政男先生のもとで製作されものである。私が初めて目にしたとき,その形状,特に曲面の美しさとその動きに魅了されたことを思い出される。現在は千葉の記念館に移され展示されているとのこと。そのときの驚きは大変大きくいつか作ってみたいと思っていた。その機会は平成10年に巡ってきた。当時まだ珍しかったターニングセンターが訓練に導入され,スパイラル加工が簡単にできることを知り,この少数歯歯車の製作を試みた。初めて1枚歯のはすば歯車をターニングセンターで加工したときは加工条件がわからず,3昼夜かかったのを覚えている。しかし,だんだん形状が出来上がっていく過程で改めて形状の美しさに感動して,心がわくわくして出来上がるのが待ち遠しかったことが思い出される。そのとき試作した1枚歯歯車を図2に示す。さらに平成20年に5軸のマシニングセンタと5軸のCAD/CAMシステムを使用できる機会にも恵まれ,1枚歯,2枚歯,3枚歯のはすば歯車の試作を行った。いずれの加工法でも,ものづくりの面白さを教えてくれた貴重な経験であった。 少数歯インボリュートはすば歯車の製作は理論的にあまり難しくなく,歯車の原理を理解するのに適した課題である。そして形状は2.5次元であること図1 汎用フライス盤による少数歯歯車図2 ターニングセンターによる少数歯歯車岐阜職業訓練支援センター幾瀬 康史「おもしろ機構」工作室Ⅲ−少数歯インボリュートはすば歯車製作の今昔−

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