職業能力開発技術誌 技能と技術 Vol.48 2013年4号 通巻第274号
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-34-技能と技術 4/20133.2 実際の加工 当時,広田先生が訓練大学校の切削技術実習に使用された1枚歯,2枚歯,3枚歯歯車の図面を図6に示す。それぞれ右ねじれと左ねじれで1対の歯車が製作されていた。工具の位置決めが手動であることから,基礎円半径がそれぞれ72/π,108/πとし,ワークの回転軸θを整数値回転(創成割り出し角度2度)したとき,y軸方向の移動量が目盛の整数倍になるように工夫して加工を簡単にしている。歯車の荒加工では,歯車素材の端面におうよその歯形をケガキで描き,そのケガキを目安にφ12またはφ16エンドミルで加工を行っている。そして,仕上げ加工では,各歯車とも基礎円直径に対して歯先円直径が大きくなるので,切削中に切削工具,工具ホルダーとワークの干渉が生じやすいので,φ6ロングのスクエアエンドミルが使用していた。なお,θ=0では,歯車の歯先と歯底が干渉するので,基礎円に1mm程度食い込んで加工している4.ターニングセンターによる少数歯歯車の 製作法 一般に汎用のターニングセンターは,直交軸の3軸(ZXY軸)または2軸(ZX軸)と,回転軸C軸を持つ。しかし,Z軸とX軸の可動範囲は,数百mm程度あるが,Y軸の可動範囲は,非常に小さく50mm程度のものが多い。そのため,前項で示した成瀬先生らが行ったエンドミルの側刃を使う加工法は,Y軸の可動範囲を大きくとる必要あるため,Y軸をほとんど使用しない加工法に変更することが課題となる。実際に歯車の創成加工に使用したターニングセンターもY軸は0〜50mmと小さい。そのため,ここではスクエアのエンドミルでなくボールエンドミルを使用し,図7のように常にエンドミル軸がNC工作機械のX軸と一致するように座標変換を行い,加工を行うことでY軸の移動量をX軸の移動量になるようにして問題を解消した。 はじめに計算簡単になるように図中のxy座標系でホールエンドミル基準位置Obの座標値を求め,次にObの座標値からφの角度を求め,エンドミル軸とターニングセンターのX軸が一致するように座標変換して,実際の工具位置を決めている。 具体的には,図8に示すようにOb点の位置ベクトルQ,b点の位置ベクトルをP,エンドミルの補図7 ターニングセンターの加工の原理図8 ボールエンドミルの補正原理図6 切削技術実習の図面

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