職業能力開発技術誌 技能と技術 Vol.48 2013年4号 通巻第274号
43/51

-41-若者達に伝えたい卒業生それぞれ62.1%,39.2%,31.0%となっています。 この状況を,就職に関する7−5−3という言葉が,日本社会では10年以上前から常識になっています。つまり中学,高校,大学新規卒業生の,就職後3年以内の離職率がそれぞれ70%,50%,30%という意味で,最近多少改善されたとも言われていますが,それでも第4図に示すとおり,ほぼそのような数字になっています。いったいなぜこのようなことになるのでしょうか? そのことを若者達に質問すると「就職時の期待と違った。好きな仕事ができないから」と言い,なかには「転職自由の時代だ」などという返事が返ってきます。そのようなとき私は,“学生達は就職,つまり社会人になるということがどういうことか,仕事とはどういう性質のものなのか?”など考えたこともなく,就職と部活への入部を混同しているのではないかと思います。自分自身の価値も転職の意味もわからない未熟さを感じます。そのようにして離職した人達は,その後をどのように過ごしているのでしょうか? 第5図は厚生労働省が発表した,フリーターといわれる人達の人数の推移を示すものです。 フリーターの中には,やりたい仕事が見つかるまでの一時的な就職場所とする人,正規雇用を希望しながらもそれが得られずやむを得ず働く人,明確な目標を持ったうえで生活の糧を得るために働く人などが含まれますが,卒業時に内定をもらえなかったり,3年以内に離職した人達の一部もこの中に含まれているでしょう。 自ら明確な目的があってフリーターを選んだ人は,その目的が達成される限りそれでよいでしょう。しかしながら,やむを得ずフリーターの道を選んだ人,あるいは安易な離職でフリーターになった人たちは,特に価値ある知識や技術などを持っている人を除けば,いったんフリーターになると,正社員の道を見つけるのは至難の業だと言えます。それだけではありません。第6図をご覧ください。これはフリーターで働く人達と正社員の生涯賃金格差を示しています。45歳−54歳では正社員の半分です。 良い条件,あるいは正社員の道を探して企業を渡り歩いているうちに,働く意欲をなくしたり社会不信に陥ったりすることになるかもしれません。安易な離職が人生を狂わせることになる可能性があるのです。 一方で第7図をご覧ください。これはニート,つまりNot in Education,Employment or Training(就学,就労,職業訓練のいずれも行っていない若者)の推移を示すもので,毎年60万人もの若者がこの状第4図 平成22年3月卒業者の離職状況(厚生労働省 若者雇用関連データ,新規学卒者の離職状況から)*過去の推移や事業所規模別,産業別の状況についても同じ厚生労働省の「新規学卒者の離職状況に関する資料」で見ることができる。第5図 フリータ数の推移(厚生労働省 若者雇用関連データより)*ここでいうフリーターとは,15〜34歳の男性,または学生を除く未婚の女性で,パート,アルバイトとして働く人,あるいはこれを希望する人のこと

元のページ 

10秒後に元のページに移動します

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer10.2以上が必要です