職業能力開発技術誌 技能と技術 Vol.49 2014年1号 通巻第275号
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-16-技能と技術 1/2014の導入を提案している。コース設定に当たっては基礎コースと実践コースの職業能力基礎講習の重なる部分の調整をし,連続受講を可能とする提案である。この場合の基礎コースの訓練期間を1ヵ月程度にし,実践コースではより専門的な内容にシフトするというものである。これらをパッケージにしたものを「就職準備基礎科」とするという。5.3.3 実践コースの企画内容 実践コースでは,社内SEの育成を提案している。島根県では中小企業が多く,特定の分野の事務処理のみをする求人より,幅広い分野をカバーする仕事が多数を占めているというヒアリング結果を踏まえ,社内SEの技術を習得しつつ,事務系のスキルを養成するコースを提案している。島根県内では情報関連企業の誘致が行われており,人材の需要も高まっている。一方,求職者にも情報系の仕事に興味を持つ者はいるが,具体的な仕事の印象や希望を持たない人が多数となっていることを踏まえ,次の3点を目標としたコースを提案している。① 企業内のデータベース管理やWebサイトの管理運用などの情報系スキル② 文書作成,会計,事務業務の伝達などに必要なインストラクションスキル等の事務スキル③ ヒアリング,プレゼンテーション,ビジネスマナーなどのコミュニケーションスキル コースの特徴として,考えたのは次の3点。① 企業人を講師として招くことで情報系の仕事のイメージを訓練中に理解を深める② 実際に課題をプログラミングすることで,モチベーションの向上を図る③ コース実施に当たって採用しようとする企業と連携し,訓練を通じた就職機会を作る 訓練コース名として「IT・事務スキル総合科」を提案している。企業内でITを推進する人材も不足しており,情報系以外の企業の人材ニーズに応えるコースとしている。5.3.4 コミュニケーション力を磨く 実践コースでは地域でソフトウェアの開発などの情報系の企業誘致が活発であることなどを踏まえ,採用ニーズが期待できるプログラミング技術の習得コースの設定と設定の可能性を探るヒアリングを行った。このなかで,プログラマにはコミュニケーション力を磨くことが重要であるとのことであった。 そのためヒアリングスキルやインストラクションスキルを訓練に加えることを提案している。6.提案内容の活用について6.1 若年者向けのコース設定の必要性 最近の島根県の雇用環境をみると有効求人倍率は5月に1.01倍となり,1倍を超えている。 しかし,求人はパートや派遣など非正規社員の求人が多く(6割以上),正規社員の就職は厳しい状況にある。正社員に限ると求人倍率は0.55倍であり,依然として厳しい採用環境にある。 若年者の減少と高齢化の進展が著しい島根県では,若年者の県内への定着やUIターンといった若年者の人口増に貢献できる対策が注目される。 こうした背景を踏まえると学卒未就職者の地域への定着やUIターンによる県外の人材の確保を企業の誘致政策と連動して人材のマッチング支援をしていくことも有効な施策になると考えられるだろう。 平成25年度の求職者支援訓練のコース設定を見ると(第3四半期まで),基礎コース10コース(主としてパソコンスキルを習得する内容),実践コース10コース(介護系5コース,医療事務系1コース,その他4コース)となっている。 非正規求人が多く,高齢化を支えるためのコース設定ではあるが,若年者が主体的にコースを選択し,受講しようとするコースが不足しているように思われる。6.2 提案内容の検討 今回のインターンシップではさまざまな工夫が提案されている。主な内容は次のとおりである。① 基礎コースでより一層,現実に即した基礎的なビジネススキル習得ができるよう,観光などを題材にコミュニケーション力や仕事のマネジメント力を高める

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