職業能力開発技術誌 技能と技術 Vol.49 2014年1号 通巻第275号
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-18-技能と技術 1/2014 求職者支援訓練コース企画書 コース名 ビジネス能力育成基礎科 ~店舗マネジメントのプロを目指して~基礎・実践別基礎・実践 実施期間 3か月 想定職種等 店長、店舗マネージャー 主な対象者 自分の適性がわからず、就職に結びついていない若年求職者 若者が働く際にイメージしやすい職種であり、若年求職者の興味を引きそうである。 企画の背景 非正規雇用も含め、事務系の求人よりも求人が多い。 題材をしまね観光にすれば、観光資源・施設が多い島根の特色を活かせそうである。訓練目標 (仕上がり像) 飲食業、小売業で正社員として店舗マネジメントができる能力を身に付ける 求職者が自分の適性を見っけ、前向きに就職活動に取り組む力をつける 集団のなかでコミュニケーションをとりながら周囲とうまく仕事ができるようにする 想定される 就職先 小売店、飲食店、ホテル・旅館、ブライダル 訓練後の 接客サービスマナー検定2級、3級 取得できる資格 簿記3級 訓練コースの 特徴 島根県(地域)の観光を扱うことで地域に特化した強みが出来る 電話応対、接客など様々なケースを想定し、チームで解決するワークを行う 就職に至るまでの自信を養う(自分の将来像についてイメージを持ってもらう) 簿記試験対策 接客サービスマナー検定対策:筆記対策(敬語、漢字、ビジネスマナー) 観光英語 島根の観光地や名産のPR(プレゼンテーション練習) ↑情報収集、パワーポイント作成 学科 職業能力基礎演習 ・自己分析 訓 ・時事問題、一般常識 ・就職相談、カウンセリング 練 職場体験/インターンシップ 内 職業人講話:ホテル、旅館、松江城・出雲大社・玉造神社周辺の施設 (内容のプレゼン演習を併せて行う) 容 基本的なサービスマナーの習得 ビジネス電話対応、お客様への対応の仕方 実技 接客サービスマナー検定対策:シチュエーション(グループワーク) 店舗マネジメントスキル養成演習(グループワークも取り入れる) ・問題解決・人材教育、カウンセリングスキル ・時間管理・経理’ ・シフト作成・情報収集(業界の動向など) 備考 (実施条件や特 別に必要な機材 等がある場合) 【有限会社くりっく】 (内容面) ・基礎コースでは、職業能力基礎向上に重点を置き、現実的な人材育成を行っている。職務経歴書作成指導等の補助もある。 ・雇用保険の適用される職場でなければ就職したと認定されない。 ・訓練以外の自宅学習も指導し、文章作成能力や営業職の学習などを行わせている。 ・企業が求める人材は、PCスキル以上にコミュニケーション能力、ビジネスマナーなどの人間性を重視している。 ・訓練終了後の支援として、定期的に電話をかけ、就職活動のモチベーションを保つようにしている。 (運営面) ・受講者減少が経営に大きく影響する。 ・センターとの打ち合わせは十分だが、ハローワークによる積極的な斡旋が無ければ受講生は増えないため、継続は困難になってくる。 【松江公共職業安定所】 (企業状況) ・パソコンスキルを最前線で使える事務業は、求人が飽和状態である。 ・企業が中途採用者に求めるものは資格よりも経験を重視している。 ・中途採用で実務経験以外の場合は殆ど新卒である。 ・中途採用に必要な条件に「○年以上経験ある方」というのが多い。殆どの場合、そのような経験とは訓練センターで得られる経験とは異なる。また訓練センターの期間は数か月を基本としており、必要期間が足りない。 (求職者支援制度) ・制度をハローワークで初めて知る人が殆ど。 ・制度を利用するには相談員の判断が前提である。 ・就職意欲はあるが自分の能力に自信がない場合、求人情報の倍率が高い場合などに制度を利用する人が多い。 ・20~30代はパソコンに対するスキルは高いので受講者は少ない。 【島根職業訓練支援センター 就職支援アドバイザー・指導員】 ・実務経験と職業訓練経験の格差是正が重要である。 ・9割は県内に就職。県外は若者や独身が殆ど。 ・島根県のみに情報科がある。ただし、県からの要請前提である。 平成25年9月5日 調査結果報告書 基礎コース班 1.はじめに 本インターンシップでは求職者支援訓練の課題を基礎コースと実践コースの2班に分かれて改善案を考えており、9月3日に松江市内の4か所でヒアリング調査を行った。以下では私たち基礎コース班の調査結果とそれに基づく仮説を中心にまとめた。 2.概要 労働力として重要な若年者にとって、魅力的かつ即就職に繋がる基礎コースの創造。4つの場所でヒアリングを行った結果、多く見られたものが「企業の選考基準は資格より経験を重視する傾向にある」、「現在は事務のような個人スキルが試される職は求人数が減少してきている」といったものがある。しかし、全国の基礎コース講座を調査してみるとパソコンスキル向上を中心とした個人スキルを向上させる講座がほとんどである。そこで私たちは求人に余裕のある職種に焦点を当て、また個人スキルだけでなく対人スキルを身に着けるコースを提案する。 3.問題意識 ○基礎コースの受講者における20~30代の割合が減少してきている。 ⇒魅力的なコースが必要である。 ○就職するにも実務経験の有無で有利不利が決まるため、就職出来ない。 ⇒実務経験を求められない職種、求人数の多い職種に重点を置いたコースが必要である。 ○求職者支援制度の知名度が低いので、制度を企業に周知する必要がある。 4.調査結果 ①インターネット調査結果 ・基礎コースの大半をパソコン、簿記を中心としたコースが占めている。 ②ヒアリング調査結果 【公益財団法人ふるさと島根定住財団 ジョブカフェしまね】 ・若年求職者の志望職種は事務が多い傾向。一方、事務の求人は少ない。 ・企業はあくまで資格よりも人物重視である。 ・資格取得は自信の向上に繋がるため意義がある。 ・就職活動が上手くいかない若年労働者は自分に自信を失っている。 5. 調査結果に基づく仮説 【インターネット調査結果に基づく仮説】 ・20~30代の受講者が少ないというが、パソコン技術を20代、30代は求めていない。 ・他の魅力的な講義が必要である。 ・企画するコースは資格だけでなく経験の部分も補う必要がある。 【ヒアリング調査結果に基づく仮説】 ・事務系の求人が少ないのであれば、PC講座以外のコースを新設してもいいのではないか。 ・求職者の就職率を上げるためには、求人に余裕のある分野の人材を育てることが必要である。 ・結局どの仕事でも対人関係が重要である。 ・就職活動の際には「この人と働きたい」と思える印象を持ってもらえること。 ・実際会社の中で周りと良い人間関係を築けること。 ・自信を失った若年求職者には、自信をつけて就職活動が出来るようになる訓練コースの創造が必須である。 ・次のステップアップのための就職として、まず実務経験を積む必要がある。 6.結論・提案(今後に向けて) 何よりもコミュニケーションスキルの向上の機会を設けることや、就職相談、実施機関などによるアフターフォローなどが重要だ。資格(サービスマナー検定)の習得も目指し、求職者の自信につなげる必要もある。 また実務経験獲得の為、就職してもらう必要がある。求人の多い接客・給仕における技術習得を重点的に行う。また、正規社員になるためにも販売マネージャなどの勉強も盛り込む必要もある。 企画書・報告書

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