職業能力開発技術誌 技能と技術 Vol.49 2014年1号 通巻第275号
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-27-訓練科,訓練コースの運営における取り組み3述べてきた。実績は上記のとおりであるが,他施設で行われているOJTとは内容が大きく異なっていると考えられる。今回の報告が,各施設で行われるOJTの検討資料となれば幸いである。最後に,終始ご指導をいただいた塚本先生(現訓練第二課長),迫先生をはじめとする溶接施工科の先生方,管理職や事務の方々に厚くお礼を申し上げます。<参考文献>⑴ 日本溶接協会出版委員会:「新版JIS手溶接受験の手引」産報出版株式会社(2009)⑵ 日本溶接協会広報出版委員会:「新版JIS半自動溶接受験の手引」産報出版株式会社(2012)⑶ ステンレス協会:「JISステンレス鋼溶接受験の手引」産報出版株式会社(2010)⑷ 社団法人溶接学会:「新版溶接・接合技術入門」産報出版株式会社(2012)⑸ 小林一清:「図でわかる溶接作業の実技」理工学社(2011)⑹ 野原英孝:「図解入門現場で役立つ溶接の知識と技術」株式会社秀和システム(2012)⑺ 中央労働災害防止協会:「アーク溶接等作業の安全」中央労働災害防止協会(2011)⑻ 中央労働災害防止協会:「グラインダ安全必携」中央労働災害防止協会(2012)●ノズルを水平板に置き、同じ振り幅でメルトランを行う。   →手前に引く時には水平板のみに接触、奥に振る時には垂直板と     水平板2点にノズルを接触させる。(図3)●同じ振り幅でスライドさせメルトラン溶接を行う。   →統一できていない場合、ビード止端が揃わない。【両コンタクト運棒】●ノズルを材料に固定し、トーチキャップに向かってトーチを左右に振る。   →トーチを上下に振る運棒が多く見られ、前へ進めていない。トーチ    キャップに向けてトーチを振ることで前進が容易になる。(図4)【スライド運棒】●アンダーカットやオーバーラップはないか。●クレータ処理がしっかりと行われているか。●ルート部への溶込みは十分か。※評価する点●スタート部・終端部に溶落ちや溶残しがないか。●ビード幅、脚長が揃っているか。   →材料裏面の変色を見ると大体判断できる。●ピッチ幅は大体均一であるか。正しい動かし方間違った動かし方トーチキャップの方向に動かしていトーチを上下に動かしている。なかなビード形状例スライド運棒ノズル接触位置ビード形状例図3スライド運棒図4両コンタクト運棒ノズル接触位置水平から40°~80°水平から40°~80°母材面45°母材面45°水平すみ肉溶接継手形状実体溶接記号溶接材料母材SUS304 t3×50×150 1枚、t3×25×150 1枚溶加材1層目:棒添加なし。 2層目:TG-S308 φ1.6~2.0溶接条件溶接方法TIG溶接層数とパス数2層 (1層目 メルトラン)棒・トーチ角度運棒方法スライド運棒両コンタクト運棒溶接電流スライド運棒両コンタクト運棒100~110A120~130A【タック溶接】●材料の変形をハンマーで修正する。●トーチを作業台に固定し、アーク長を縮めてタック溶接を行う。(図1)進行方向前進法前進法溶接上の留意点●メルトランの始端部・終端部の溶落ち・溶残しに十分注意する。   →溶加材を使用しないため、止まっていると始端部が溶落ちやすい。     材料始端から溶接を始めていない場合、溶残しが生じる。●溶融池(プール)を一定の幅に揃えることを意識して溶接を行う。   →溶融池(プール)幅が一定ではない場合、ビード幅は揃わない。●材料が溶接中にずれないように破材等を使用し固定する。●タック溶接後は材料の間に隙間がないか、90度になっているかを  確認し問題があれば修正を行う。【共通事項】●溶接電流条件を確認する。●タングステン電極の突出し長さを設定する。(図2)   →ノズルを材料に固定し、トーチ角度を進行方向に対して90度で     継手部にタングステン電極を接触させる。溶接時のトーチ角度     に戻した際、タングステン電極が接触することなく最適なアーク長     となる。   図2突出し長さの設定図1タック溶接箇所図6 TIGアーク溶接(水平すみ肉溶接)教材例

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