職業能力開発技術誌 技能と技術 Vol.49 2014年1号 通巻第275号
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-29-実践報告は次式で示される。 ⑴a:導円半径 b:転がり円半径 サイクロイド歯車の歯形曲線には,一般的に図2のように内サイクロイドと外サイクロイド曲線の一部を用いて歯形が形成され,転がり円は両曲線共に同じ半径の円が用いられる。図3に転がり円を変化させた場合の歯形形状を示す。転がり円の大きさによって歯形曲線は大きく異なることがわかる。転がり円の半径が大きくなると,歯元の歯幅は狭くなり,歯先はとがってくる。機械の歯車としてよく用いられるインボリュート曲線の歯形はこの転がり円を無限大にして描いた外サイクロイド曲線である。つまり,インボリュート歯車は,サイクロイド歯車の1つと見なせ,導円がインボリュート曲線の基礎円となる。 また,チェーンやピン歯車と噛み合うスプロケットの歯形は,外サイクロイド曲線のみで構成されるサイクロイド歯車の1つである。ただし,実際には,ピン歯車のピンの半径をオフセットした形状となる。特異なおもしろい例として,図3の図中を見ると転がり円の半径を導円半径Rの0.5Rとして,内サイクロイド曲線を描くと,導円の中心を通る直線となることがわかる。つまり,外サイクロイドの転がり円の半径を0,内サイクロイドの転がり円の半径を導円の0.5Rとして歯車を作ると,図4のように放射状の直線の歯車となり、直線のみで構成される歯数8枚の歯車となる。この歯車を噛み合わせて,そのとき,成法できる形状を求めると,図4のように外サイクロイド曲線のみで構成されるサイクロイド歯車となる。ただし,この場合,ピンの半径は0であることから,実際歯形は,ピン半径分オフセットした形状となる。 以上のようにサイクロイド曲線は,インボリュート歯車,スプロケットの母なる曲線ともいえる。図3 サイクロイド歯形と転がり円図2 サイクロイド歯形図1 サイクロイド曲線

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